良いメッセージを聞いても成長しない理由は？

松下電器（現在のパナソニック）の創始者である松下幸之助さんが存命の頃、大阪で松下電器系列の小売店の店主さんたちを集めて、販売促進セミナーが開かれました。幸之助さんの話の後、その地域で最も収益を上げている店主さんが壇上に上がり、どうすれば収益を上げることができるか、自分の店のやり方を皆に披露しました。

 

ところが、この店主さん、仕入や販売上の工夫、宣伝のやり方、社員の教育の仕方など、「企業秘密」のようなことまで全部、話してしまったのです。
さすがに松下幸之助さんも心配になり、「同じ地域で、商売敵のお店の方もいらっしゃるでしょうに、あんなことまでお話しになって大丈夫なのですか？」と尋ねますと、この店主さん、にやりと笑って、「大丈夫ですよ。聞いたって、どうせやりゃあしませんから」。

 

さて、下っ端の悪魔が先輩悪魔に言いました。「あのクリスチャン、ずいぶんと学び会に出席し、たくさんいいメッセージを聞いてますね。このままじゃぁ、ますます成長してしまいます。何とかしないと」。すると先輩悪魔が言いました。「大丈夫だよ。いい話を何百回聞いたって、今まで通り、どうせやりゃあしないから」。

 

「いい話」を何回も牧師や伝道者、先生から聞いているはずなのに、なぜか成長しない・・・。
もしかしたら、その答えがこの話の中にあるのかもしれません。