成長することを求めない弱さ

ここでは 38 年間もの間病気にかかり、ベテスダの池のそばで伏せっていた一人の男性の物語があります。イエスが彼に目を留めたときに最初に発した言葉が冒頭の聖句でした。

 

何を当たり前のことを聞いているんだと思われる方もおられるでしょう。良くなる方がいいに決まっているではないかと。

 

しかしイエスはこの時、病気の背景にある彼の心理的な問題に着目しました。長期の療養によって病気に対して逆に居心地の良さを感じてしまうという心理です。なぜなら彼の癒やしは、同時に社会に出て行くという新たなチャレンジを要求するからです。

 

次のような言葉があります。
「仕事で失敗しませんでした。いやな仕事を避けてきたからです。人間関係で傷つきませんでした。人の輪に入らなかったからです。彼の人生は完全で、そして最悪だった。」

 

私たちは誰しも自分の不完全さを痛感し、成長したいと思っているでしょう。しかし成長には痛みと失敗がつきものです。私たちは口先では変わることを求めながら、痛みを恐れるあまり、自分の問題から逃げ、あるいは問題を後回しにしていることがあるのではないでしょうか？

 

神は今も私たちに対して、「あなたはもっと成長できる。でも、本当に心から成長したいのか？」と問いかけておられるのです。