青銅の蛇を打ち砕く！

ユダの王ヒゼキヤの霊的な最大の功績は、もしかしたら青銅の蛇を破壊したことにあるかもしれません。皆さんもご存知のように、青銅の蛇はモーセが神に命じられて作り、これを仰ぎ見たイスラエル人を救った、まさにイスラエル人にとって国宝級とも言うべき記念碑でした。それをイスラエル人は約5百年もの間、大切に保存してきたのでした。

 

しかし、ヒゼキヤはこの聖なる記念碑がイスラエル人にとって偶像崇拝になっていることを鋭く見抜いたのです。彼の慧眼はここに極まります。実にダビデもソロモンさえも気がつかなかったのです！青銅の蛇とは、確かに神が起源となったものですが、あの時、一つの目的のために用いられたものであり、その時が終われば単なる「ブロンズ像」でしかありませんでしたが、イスラエル人は知らず知らずのうちに神の代わりとして礼拝をささげていたのです。

 

これは今日の私たちに対しても重要なメッセージを与えてくれます。確かに私たちの家には仏像や神棚はないかもしれませんね。しかし偶像崇拝の巧妙さは、ただ神に関係するというだけで、私たちの信仰生活、教会の中心にまで入り込んで、誰もそのことに気がつかないというところにあるのです。

 

一例を挙げましょう。聖霊の力強い働きによって、また油注がれたリーダーによって、あるクリスチャンのグループが誕生したとしましょう。そしてその時、このグループに所属するすべてのクリスチャンが祝福を受けたとしましょう。しかしここで致命的な勘違いが生じやすいのです。

 

確かにこのグループは、最初は御霊の働きによって生じたのですが、今後も主の御心にかなうグループであるためには、引き続き御霊に導かれなければ、そのグループは神から離れてしまうのです。

 

しかしこの事実に気がつかず、多くの教会員はこのグループに所属することが主の御心だと理解し、主ではなくグループの創始者や組織の素晴らしさを誇るようになるのです。

 

これが「青銅の蛇」です。

 

その結果、伝統的な外面的な事柄のみが残り、聖霊の臨在は離れていき、喜びを失ったクリスチャンが残されることになるのです。

 

いま、私たちは自分の心を探り見極めるべきです。すなわち、私たちが礼拝しているのは「キリストご自身」であるのか、あるいは過去の栄光である「青銅の蛇」であるのかということを。