家族から受けた傷からの解放　Part1

私たちの人格形成においては、良くも悪くも両親から多大な影響を受けており、その影響は対人関係だけでなく、対「神」関係にも及びます。例えば、幼少期に親から虐待されたり、愛されなかったりした経験があれば、他人に対してだけでなく、神に対してさえも心を開くことが困難になります。また、父親から愛情を感じない厳しいしつけを受けた場合は、神に対しても「私のことを絶えず見張っている厳格な存在」というゆがんだイメージを抱き続けることになるでしょう。

 

信仰の伸び悩みを感じたとき、実はその背後に両親からの「呪縛」が存在することは決して珍しいことではありません。私たちはそのことに苦しみながらも、「聖書には『両親を敬え』と書いてあるから、しょうがないか〜。私は一生この十字架を背負い続けなきゃならないのね〜（嘆息）」というあきらめの境地に至らざるを得ないのです。

 

しかしこの考えは果たして聖書的なのでしょうか？
冒頭の聖句を見て下さい。 「あなたの父の家を忘れよ。」と書かれていますね。今回はこの聖句からあなたに「家族から受けた傷からの解放」というテーマでお伝えしたいのです。まず、この聖句の背景ですが、 詩編45編は直接的にはソロモン王の栄華と、彼のところに連れて来られた他国の王の娘の婚姻について書かれているようです。つまり冒頭の聖句の「王」とは直接的にはソロモン王を指しているわけです。しかしながら、この箇所を新約の光に照らしてみると、この王がイエスを示していることがわかります（ヘブル1章）。

 

つまりイエスは私たちに対して、「あなたの父の家を忘れよ。」と言われているのです。これは両親に対して愛情を示すことを止めなさいと言っているのではありません。両親の影響から「精神的、霊的」に分離し、私（イエス）の元に来なさいと、今、私たちに呼びかけておられるのです。
これは何と素晴らしい主からのメッセージでしょうか！私たちがどんなに破壊的な家庭の中で育っても、その苦悩とトラウマが信仰生活に影響を与える「権利は無い」と言われているのです。また仮に実の母親があなたに対して「あなたなんか別に産むつもりはなかった」というような凍りつくような言葉を投げかけたとしても、その言葉によるダメージがあなたの人生を支配する権利は無いと聖書は宣言しているのです。(Part2に続く)