失敗に至るプロセス

私たちが時々犯す失敗は、思いもよらないことではなく、「起こるべくして起こる」ものであることが多いのです。冒頭の聖句を見て下さい。ロトがなぜ罪に満ちたソドムの町の中に住むことになったかを知ると失敗のプロセスを学ぶことができます。

 

事の発端は、アブラハムとロトの牧者の争いがあり、二人がどの地を選ぶかということから始まります。ロトはソドムの町が存在する潤ったヨルダン低地を選びます。ここは肉で選んだと説明されているところですね。その頃、ソドムの悪評は周囲に知られていましたから、ロトはソドムの町によもや住もうとは思わなかったでしょう。

 

しかし彼の気持ちに反して、ロトは徐々にソドムの町に近づいていきます。

 

「ロトは低地の町々に住んで、ソドムの近くまで天幕を張った。」（創世記13:12)とあり、そして冒頭の聖句にあるように、彼はいつの間にかソドムの町の中に住んでいたのです。

 

そしてその後、彼はどうなったでしょうか？ソドムの町は滅ぼされ、彼は命からがら助かったと記録されています。

 

今までのプロセスをまとめると、土地の選択→ソドムの近くに天幕を張る→ソドムの中に住む→ 破滅です。

 

つまり小さな妥協がやがて大きな妥協を引き起こし、最終的に破滅に至るというストーリーがここにあるのです。私たちの失敗を振り返ると、いずれも小さな妥協から始まったことに思い当たります。わずか1%の妥協から始まったものが、次に2%の妥協を生み出し、それが5%, 10%と増えていき、次第に自制心が効かなくなり、最終的に失敗という形をとります。

 

もっと言うと、失敗という出来事の「かなり前」に失敗の種は少しずつ蒔かれていたのです。また暗やみの支配の観点からみると、サタンはあなたが失敗するためにずいぶん前から周到に準備をしてきていたのです。サタンはあからさまな誘惑という形で誘うことはありません。「これぐらい、いいだろ〜」という小さな妥協をあなたから引き出すのです。

 

最後に兄弟姉妹、今後のためにもこの点について具体的に伝えさせて下さい。もしあなたが、ある人（未信者/信者にかかわらず）に対してネガティブな感情を抱いているなら、あなたはいつの日かその人に対する攻撃・復讐という形で苦い実を刈り取ることになるでしょう。なぜなら、ネガティブな感情を抱くという「小さな妥協」をすでに心の中に許可してしまっているからです。