サタンの要塞

「サタンはクリスチャンに対して影響を与えることができるの？」という質問に対しては迷わず Yes と答えます。

 

使徒の働きにはサタンに心を奪われたアナニヤとサッピラについて記載されています。また II テモテ 3 章にはテモテに反対する教会員を「悪魔に捕らえられて思うままにされている人々」と表現していますので、サタンは部分的にクリスチャンを支配し、束縛する力を持っているようです。

 

もちろんサタンはクリスチャンから救いを奪うことはできません。しかしサタンはクリスチャンの信仰生活を破壊し、何の実も結ばず、喜びの無い不幸な人生をもたらすことはできるのです。特に冒頭の聖句にあるように、私たちの心の中に「サタンの要塞」が形成される場合、問題はさらに深刻なものとなります。

 

ご存知のように、私たちには依然として生まれながらの古い人が存在しており、新しい人との葛藤が日々生じています。その中で、聖霊の働きにより、古い人が攻撃を受け、新しい人の領域が徐々に広げられていくことを私たちは「信仰の成長」と表現しています。

 

しかし、もし古い人の中に難攻不落の要塞があった場合、前線はそこでストップしてしまいます。つまり成長が止まってしまうのです。要塞とはサタンのその人に対する攻撃拠点のことですが、通常はこのようなものは生じ得ません。要塞が形成されるためには、サタンが最も活動できる、神の言葉が届かない「やみの領域」が必要となってくるのです。

 

この「やみの領域」はしばしば、言葉に出すことさえはばかられる、心の傷、トラウマと呼ばれるもの、虐待、ネグレクト、拒絶などのような幼少時の経験が背景にあることが多いのです。クリスチャンになったとしても、これらの傷が容易に癒やされないことがしばしばあります。傷が深い場合は、無意識下に抑圧され、記憶にすら上ってこないこともあるでしょう。その結果、神に告白することすらできない「やみの領域」が形成され、「そこ」に、サタンの要塞を建設する土台を与えてしまうのです。

 

しかし、ここでGood newsがあります。神は全能のお方であり、あなた及びあなたが愛している人の解放者です。聖書に書かれている霊的武器は難攻不落の要塞をも打ち砕くことができるからです。今、ここで諦めてはいけません。主は必ずあなたに勝利を与えて下さいます。