深く傷ついた時の祈り

およそ自尊心を傷つけられるほど、私たちのエネルギーを枯渇させるものはないでしょう。

 

ある人が、「ひどい言葉で傷つけられるよりは、殴られたほうがまだいい。」と言っていますが、私たちの尊厳、誇り、人格、能力、価値観などが他者によってさげすまれる時、私たちは自分を支える土台のようなものを失い、何もする気が起きなくなるということがあるのです。

 

ヒゼキヤが神に仕え、民からの信頼を得ていたまさにその最中に、アッシリアの軍隊の襲来を経験します。多くの町々が占拠され、エルサレムに迫り、ここで敵軍の将、ラブシャケがヒゼキヤを大声で侮辱しました。ラブシャケは「ヒゼキヤにごまかされるな。あれはおまえたちを救い出すことはできない。」（イザヤ36:14）とイスラエルの民に叫んだのです。この時、ヒゼキヤの王としてのプライド、信仰者としての誇りがずたずたに切り裂かれたことは想像に難くありません。ヒゼキヤが彼の言葉を聞いたときの心中を表現したものが冒頭の聖句になります。「子どもが生まれようとするのに、それを産み出す力がない」とはどういう意味でしょうか？ここの直訳は、「子どもが産道にはいったのに」だそうです。陣痛が激しく、その極みにまで至っているのに赤ちゃんが出てこない、つまり激しい痛みが続いているのに何も為す術がないと言うことです。

 

しかし神はヒゼキヤの言葉にならない叫びと祈りを聞かれます。「わたしに祈ったことを、わたしは聞いた。」（イザヤ37:21）と言われたのです。

 

結果はどうだったでしょうか？一人の御使いが遣わされ、18万5千人を一晩で打ち殺したと記載されています。私たちが深く傷ついている時、神はその祈りを聞かれ、そして最も良い方法で傷を癒してくださるのです。