自然に見える神の不思議な介入

エステル記は聖書の中で唯一「神」という言葉が一度も出てきません。

 

そのため、そんな書物を聖書の中で組み込んでもいいの？という議論もあったぐらいですが、一旦この書を読み進めていくと、全ての出来事の背後に神の介入があることを教えられます。

 

冒頭の聖句は、ハマンがエステルの育ての親モルデカイを殺害する計画を立てたまさにその夜に起こった出来事について書かれています。

 

ここに二つの神の不思議な介入を見いだすことができます。

 

①アハシュエロス王が寝付けなかったこと。
②不眠の対処として記録の書、年代記を読ませるようにさせたこと。

 

①も②も人間の目から見るならば実に自然な流れです。しかし聖書の光に照らされるとき、①は神が王に不眠の状態を与え、②は神が不眠に対してモルデカイに関する記事が書かれた年代記を持ってこさせるように王に思い起こさせた、ということがわかるのです。

 

私たちは神の介入というと、何かと「超自然的」な介入をイメージします。もちろんそれも確かにあります。しかし多くの場合、神の介入は人間から見て極めて自然な流れの中でなされていくのです。

 

私たちはとかく祈りに対して超自然的な介入を心のどこかで期待していることがありますね。しかし神は「御自身を隠す神」（イザヤ45:15)です。隠れて働かれることを好まれる方でもあります。

 

神の働きは人の無意識のレベルに対して影響を及ぼし、人体の自律神経の調整さえもご自分のご計画のために成される方なのです。私たちは何と多くの神の「自然的」な介入を見落としていることでしょうか？明日からの一日、御自分の周囲にある神のみわざに注意してみて下さい。